ハリー本人の出番がほとんどなく、タイトル通り声の出演です。
麻薬密売組織を追っているうちに目を負傷して一時的に失明したポール、そのポールから情報を引き出すために、ハリーの声を模倣する人物が登場します。あまりに見事な模倣のため、コンテッサも、スキもポールも次々と騙されてしまいます。最終的には、コンテッサとスキの機転で、なんとか一味を撃退するのですが、こんなにわずか数時間で人の声を模倣できるなんてかなりの名人芸ですね(笑)
 この声だけの出演を見ながら、「デモンシード」(1977)を思い出しました。あの映画で自らの思考を持ち人間を支配しようとするプロテウスというスーパーコンピューターの声を演じたのですが、あれは本当に恐ろしかった!普段はVaughnさんの目の演技に魅了されているのですが、声だけであれだけ背筋をゾッとさせるのですから、彼の演技の奥行の深さに今更ながら関心しました。
 ですから、そういう視点でこのエピを見ると、彼の声が、場面場面に合わせて絶妙に変化しているのがわかるのです。あの「ナポレオン・ソロ」の「消された顔」のときの偽物の方の声が、本物より若干冷たく、単調な口調であったのと同様に、このエピでも偽物の方はやや冷たく、覚えたセリフをただ言っているようなトーンに感じられ、コンテッサにのどにチョップされた後の声が出にくい状態から復元されるまでの過程も、そして最後に本人が電話をかけてきた時の声も意識的に明るいトーンにしているので、彼のラジオ演劇で鍛えた声の演技を楽しむことができます。二ヵ国語放送で録画されている方は是非英語でVaughnさんの声の魅力に迫ってみてください。
 そういう訳で、このエピもまた彼の声の演技力を上手く利用した作品と言え、またまたプロテクターシリーズではユニークな存在となっていると思います。ところで、このハリーの声を模倣する人物を演じたシェイン・リマーさんという俳優さんですが、この方はなんと、第2シーズンの16話「Zeke's Blues」でハリーの学生時代の親友ジークを演じています。これもなかなか注目の良いエピです。
 

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The Protectors:1-20:Vocal
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