ロバート・ヴォーン
  オンリー ヴィクティムズ 裏表紙
劇的に役割を変え、有名なTV・映画スターが鮮明にかつ鋭く、反アメリカ活動委員会が、1938年から1958年までのエンタテイメント産業に対して行った捜査活動を詳細を描き出した。
破壊分子と疑われた人々を調査するために作られた組織は、50年代の後半までに、ハリウッドとブロードウェイの有能な作家達と俳優達のキャリアを、時にはその命までも奪うことに成功した。聞き取り調査の記録を広大に引用し、ヴォーンは委員会の主な目的がいかに立法行為ではなくむしろ懲罰的な行為であったかを示し、アメリカの演劇と映画に及ぼしたそのもっとも深刻な打撃・被害は容易に文書で記録できるものではないであろう結論づけている:損失の全容が書かれることも語られることも決してないであろう、何故ならその委員会の悪行の影響力ーそしてその脅威ーゆえに。

   もともと20年以上も前に出版された「オンリーヴィクティムズ」は歴史上計り知れないほどの価値を残している。この新版では、そのルーツ、展開、ブラックリスト活動の影響についての彼のさらなる研究を後書きに加え、その価値を高め、そこから、現代への恐ろしい関連性の警告を発している。
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「ヴォーンはアメリカにける共産主義者の活動を認識することは必要と信じている、しかし、真の脅威と想像上のものとをはっきりと区別することを我々に強く勧めている。アメリカ近代史においてのこの混乱した時代について学びたい人はだれもがこのヴォーンの作品を間違い無く読みたいであろう。
                   −ライブラリージャーナルー

ヴォーンのこの研究に対する類のない貢献は、100人の元証言者たちに送ったブラックリスティングの影響についてのアンケート調査である。彼の得た返信の分析は、この時代生きることの痛みに対する新しい見識を提供している。ヴォーンはその後も研究をつづけ、この本はショービジネスの世界の人にもそうでない人にも読まれるべきである。彼は言う、この問題は未だに解決されていないと。
                         −チョイスー

ヴォーンの本。。。。は我々の歴史のある一章(カフカをそのまままねたような)を背筋がこおるように思い出させるものである。
                −ワシントンポスト ブックワールドー

eigomama コメント

裏表紙に書かれている解説と書評を訳して見ました。
この膨大な作業をもとに書かれた論文を訳すことは到底無理なことと思いますが、
解説を読むだけでも、一学者としてのVaughnの考え、ポジションが多少理解できると思います。自由の国と思われている、いた国家であるからこそ、この時代の不条理な行為を解明することが、正しい民主主義を築き、守ること,それゆえに、暗闇に葬り去られていたこのくらい過去に着目したのでしょうか。また、ここに書いてあるように、彼は100人の被害者と思われる人達にアンケートを送り協力を求めています。そこには、自分は俳優であり、ご存知かもしれない、けれども自分の別の一面として、この研究をしているので、是非協力をお願いしたいと、書き添えています。同じショウビジネスに身を置く彼が研究するからこそ、暗い過去を思い出したくない人達も、心を開き、協力してくれたのではないかと、推測します。この分野の研究・調査が彼の物しか存在しないことが、それを証明していると思うのですが。

人気に左右される俳優という職業をもちながら、このように一貫して主義を貫くという姿勢は、やっぱりRVは私のヒーローです。実生活でもやっぱり、エンフォースメントエージエントです。

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