アルカンサスでのオールロケで製作された南北戦争を舞台にしたTVミニシリーズ。歴史的にもかなり忠実に描かれているとのことでしたが、実に見応えのある作品です。兄弟、家族、友人同士が、北と南、ブルーとグレーに引き裂かれ、戦うことを余儀なくされてしまう。 主人公が新聞のために描く絵、その目と体験を通して、戦争の苦しみを、悲惨さを伝え、さらにそれを乗り越える愛が描かれています。
 豪華絢爛、錚々たるスターたちの中で目立ったのが、リンカーン大統領に扮したグレゴリー・ペック、そしてその側近のジョナス役を演じたStacy Keachが格好よかったです。肉親同士の戦いということもあったのでしょうが、この時代の戦いはある程度の節度があったように感じる場面も多々ありました。互いに敵となってしまった兄弟が話をするために、一時休戦し、双方の陣営が「They are brothers.」と自分たちの思いをたくすように見守るシーン、そして、それが終わると、また攻撃を始めるでも「頭さげろよー」と警告してから、など、戦いたくて戦っているのではない、というメッセージが強く伝わってきました。 とても良い作品だと思います。
 我が愛するVaughn氏は主人公が恋におちるお嬢さんのお父さん役、上院議員を演じています。あまり出番はなかったのですが、娘にかかわるな、顔の前半と、戦争も終わり、平和がもどってからの結婚式での幸せそうな表情が対象的な演技でした。こんなに笑顔にあふれる演技をすることはあまりないので、連続キャプチャーしてしまいました。(笑)
 特に私のお気に入りは、家族の記念撮影の際、そのカメラが当時の最新式のカメラと聞き興味ありげに覗き込む姿、と撮影のときにズボンのひざをはらったり、襟もとを直したり、と、またまた細かい演技をしているところです。(細かすぎる!)
それにしても、本当に、政治家の役をやると絵になる人ですねぇ。
 そういえば、この翌年にあの「帰ってきたナポレオンソロ」が放映されている、と言うことは、このすっかりお父さんという肉体的コンディションで、あんなに走ったり、いろいろなアクションをしたりしたのですよね。よく動いたものだと、感心しきり。(笑)

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The Blue and The Gray (1982) TVミニシリーズ 296分