伝説のボクサー、キッド・マッコイの実話に基づいた映画です。と言っても、私自身はボクシングに詳しくないので、真偽のほどは別として、"Real McCoy"(本物)という表現の元になった人物であることは間違いないようです。そして、そうなった訳もなんとなくわかるようなシーンもありました。
 ヴォーンさんが演じるのはそのマッコイを発掘し、育てた名トレーナー、マックスです。ソロ前も後も悪役を演じることが多いヴォーンさんですが、これは一味異なります。ひとりのボクサーを育て、公私に渡って寄り添う、という徹底したサブを演じきっています。時にやさしく時に厳しく、マッコイを全面的にサポートする様が今までにはない役柄です。こんな、ストレートな笑顔、怒り、喜び、困惑、興奮、をこんなに観ることができるのは珍しいのではないかと思います。時折見せるとぼけた表情も好きです。
 ボクサーが題材なだけに、確かに"Brutal"な場面がたくさんあります。たぶんボクシングファンの方がみれば、結構真に迫った映像なのではないかと思います。あまりに壮絶な戦いに、恋人が「耐えられない」と訴えるのもわかります。
 この映画ロケ地は南アフリカ、南アフリカといえば、「トランシルバニアツイスト」、「スケルトンコースト」「キャプティブレイジ」「フッドラムアンドサン」などもたしか、ここで撮影されたはず。ヴォーンさんは「タワリングインフェルノ」撮影時に楽屋が向いであったウィリアム・ホールデンに南アフリカの素晴らしさを散々吹き込まれたそうです。それで、南アフリカロケ作品が多いのでしょうかね?
 この映画、アフリカの自然もみることができて、いろんな意味で楽しい作品です。
マッコイが新婚旅行に、スポンサーとみんなと一緒にハンティングを兼ねた旅行で奥地に行くのですが、そこで、奥さんが土着病に倒れ亡くなってしますのです、その時にアフリカの部族が歌う弔いの唄、コーラスがなんとも言えず美しく、心を打ちました。ヴォーんさんの帽子ファッションも見どころの一つ?私は最後の自転車ファッションがお気に入りです。(笑)

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Brutal Glory(1980) Thanks to Azusa
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