スティーブ・マックィーン生誕80周年、没後30周年の今年(2010)、Vaughn氏の78回目の誕生日を飾るのはやはり、この「ブリット」しかありません。「ナポレオン・ソロ」シリーズ終了後、スティーブの求めに応じて出演を決め、見事に映画に復活を飾った作品です。
自伝を読んで二人が親友であったことを知った今、この作品をみるとさらに感慨の深いものがあります。Vaughn氏の演じる「嫌な奴」の代表格と言えるものです。何度見ても、本当に腹のたつ奴です(笑)
スティーブとのどんな演技上の駆け引きがあったのだろうと想像しながら見るのも楽しいです。そして、スーツにつけているキーチェーンをみるたびに、この衣装をめぐってのスティーブとのやりとりが頭に浮かびます。
同じくスティーブと共演(一緒の映画)であった「タワリングインフェルノ」ではスティーブと同じフレームに入ることは全くなかったので、この「ブリット」は大変貴重な物と言えるでしょう。スティーブが諦めずに説得してくれて良かった。感謝です。
ちなみに、2010年のこの行事を記念したトークショーに出演したとき、「多くのヒット番組の人たちが消えて行っている中で、貴方はずーと仕事をし続けている。その秘密はなんですか?」と尋ねられたときに、ヴォーンさんは「多くの人気シリーズのスターはまた同様のTVシリーズに出演しようとして、失敗している、私の場合、シリーズが終わって最初に出演したのがこの”ブリット”で、それもスティーブが私でなければ絶対にだめだと諦めずに交渉してくれたから、でね。この切り替えが上手くいったんだ。」と語っていました。
本当にスティーブにはもっと長生きして欲しかった。もっとVaughnさんと共演して欲しかった、と思います。