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Julius Caesar (1969)
ジュリアスシーザー

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✩✩このパンフレットの抜粋✩✩

この映画のハイライトである”シーザー暗殺”場面について、フィルムの編集責任者、エリック・ボイトパーキンスは、プロデューサー、監督の「切らないでくれ」の一言で、”暗殺シーン”にハサミを入れられなかった、と口惜しがった。
 編集者は、撮影後のフィルムを自由にチョン切ったり、つないだりする権限がある。その編集者に口を挟ませないほど、監督、プロデューサーは、この”暗殺シーン”に強い自信をもし、出来上がったものも身震いが出るほど、迫力のある出来栄えだったので、パーキンスはぼやきながらも、手が出せなかった。
  
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 若き製作者、ピーター・スネルは、このドラマチックなシーンに、ロバート・ボーンを出演させたことを自慢に思っている。
 というのは、ご承知の通りこの映画の背景はたいへん政治色の濃いものであるが、その政治にボーンが非情な関心を持っているからだ。現在のアメリカ政治に強い興味を示し、最近では、ベトナム問題に大きな発言もしているロバート・ボーン。人一倍世界平和をこいねがっているボーンが、映画とはいえ、政治的暗殺シーンで残酷きわまる暴力行為をふるう。ボーンは、奇妙な気持ちで演技をした、そうだ。

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