原題「Clay Pigeon」とはクレー射撃に使われる標的となるお皿のことらしいです。日本ではTV放映されたようで(いつなのかはわかりませんが)、タイトルが「皆殺し L.Aコネクション」となっています。私はありがたいことに同じヴォーンファン仲間のazusa様のご好意で鑑賞することができました。初めてこの映画を見た時、「ウェッ!」と声にもならないような衝撃を受けました(笑) あまりにも今までと違い過ぎたからです。
ダンディなスーパーヒーロ-でもなく、知的な冷徹な悪人でも、そして、ユーモラスな悪人でもなかったのです。 自分の気持ちをどう処理していいのか悩みました(笑)
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監督・プロデューサー:トム・スターン
出演:トム・スターン :ジョー・ライアン (元軍人)
テリー・サバラス :レドフォード(FBI)
ロバート・ヴォーン :ニールソン (麻薬組織、元軍人)
あらすじ:ロサンゼルスに暗躍する麻薬組織のボスニールセンをとらえようとするFBI。しかし、ニールセンは全く素性が分からず、顔すらも分からない。そこで、元ベトナム戦争の英雄で今はヒッピーのような生活をしているジョー・ライアンを偽のニールセンにしたてあげ、本物を誘い出す作戦にでる。
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私の愛しのヴォーンさんは、上流ぶろうと試みてはいるけれど、なんとも役に立たない部下を持ち、ひたすら横暴でエキセントリックで下品な悪人ニールセンを演じています。使う言葉も汚く、感情的、そして、表情も、今までのように感情を押し殺して逆に冷徹さをあらわすのではなく、ストレートに怒りを爆発させています。
ただ、面白いのは、この映画への出演理由が、プロデューサーのスターンが脚本を持ってきたとき、彼の前のガールフレンド、キャシー・シートンが、子供の父権問題で裁判を起こしていて、彼女があることないこと演説しまくっているのを聞きたくもなかったので、ともかく仕事をしてそのことを忘れたかった、それでスケジュールも開いていたから、受けた、とマレイさんに語っていることです。なるほどそういう事情だったのね、と一部頷けました。
そして、ヴォーンさんは受けたからには、と、このニールセンという人物を残虐性ではなく、変人であるところを誇張してコミカルに演じようと提案したそうです。そして、スタンもその提案に大喜びをしたとのことです。従って、衣装も行動、言動も、実に面白い人物になっています。
70年代の麻薬、ピッピー、ヌード、暴力が前面にでているのですが、それほどの残忍性も感じないのは、そのためでしょうね。ちなみに、この映画はボストンでのプリミエの収入は麻薬リハビリセンターへ貢献しているそうです。
さて、まえがきがながくなってしまいましたが、ここからは、今までみたこともない、帽子、服装のヴォーンさんをごらんください。 そういう視点で見ると結構たのしいです(笑)

Clay Pigeon(1971):Thanks to Azusa
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