この映画も、RV自伝の第13章にも登場するのですが、これも映画の内容よりも、この時に起きた出来事が書かれています。つまり、この映画はベネズエラで撮影されたのですが、製作には複数のプロデユーサーが関わっており、そのうちのイタリアプロデユーサーが暗殺され、資金不足に陥ったようで、現地スタッフへの賃金支払が滞ったため、撮影にあたっていたフロデユーサーが逮捕され、さらにベネズエラの法律で出演者であったRVもスタッフへの支払いを代替わりしなければ出国できない、というホテル軟禁状態におかれた事件についてです。当時まだ婚約中のリンダさんが一緒だったようですが、この軟禁は1ケ月も続き、アメリカ政府も助けてくれず、結局は現地の人の助けをかりて、自力で脱出を図った、という経緯が書かれていました。
こんな大変な目にあった映画ですから、良い作品であることを祈るのですが、まあ、残念ながら、ファンとしては、とても元気に走り回る姿、たくさん帽子をがぶっている姿、マカロニウエスタン風の姿、そしてプロテクター風の姿など、いろんなヴォーンさんの絵を楽しむ映画だと、言っておきましょう。(笑)
一番面白いのは、ヴォーンさんの役トニーが、もう絶頂期を過ぎたスタントマンであるということでしょうか。階段をドンドン登り、もっと上からでも落ちることが出来る、とアピールしてみたり、火だるまになってみたり、大変です。
そして何やら資金繰りに困窮している友人に、インカの秘宝を盗むのに協力を依頼され、一度は断るのですが、結局協力するのです。盗み出すのがトニーで売りさばくのが友人。だから、とても元気に走り回るのです。裏切られて、裏切ってと、トニーと奥さん、そして友人は逃走しまくりです。
映画の中でマカロニウエスタン風な場面があるのですが、これはきっと、本にかかれていた脱出の後にスペインで、撮影した部分でしょうね、クリントイーストウッドが使ったという場所。
途中、声が全く違う人の声でダビングされていたり、映像が不鮮明だったり、映画の質としては不満だらけですが、ヴォーンさんをたくさんみることが出来る点では、満足ではあります。きっと、こんなことがなければ、もっと充実したサスペンス・アクションになっていたでしょうのにね。