ロバート・ヴォーン-「アンクルから来た男」のナポレオン・ソロとして幾多の国際的事件と戦ってきた男-が最近ベネズエラで軟禁されていた。
「はじめの何日かは恐ろしい思いだったね。」と粋な俳優が告白した。「私は結構冷静だったのだけれど、一緒に来ていた妻のリンダが動揺して、このすべての状況に不満だった。」
ヴォーンはこの騒動が始まったときには、「ネクストウィーク・リオ」という映画撮影のためにベネズエラの首都、カラカスにいた。
「私はベネズエラ政府から軟禁状態に置かれたんだよ。彼らは口頭で、この問題が解消されるまでは、如何なる理由でもホテルを出てはいけないと、指示してきたんだ。」
「私には何が問題なのか良くわからなかったんだけれども、ベネズエラ政府はその国で仕事をする人にすべてに、は税金を課する権利があると考えていたようだね。」
事件は悪い方向へ向かった。プロデユーサーから賃金を支払ってもらっていなかったベネズエラのスタッフが、ヴォーンと奥さんを捕虜とすることにしたのだ。
「彼らは地元のスタッフたちでね、3週間も未払にあってたんだ-撮影が中止になっている間ね。彼らは私たちを捕虜としてホテルに確保して政府をある意味援助していたんだ。
「私たちを確保しておくことで、ある種の交渉力を維持できると思ったのだろう。彼ら自身がホテルのまわりを警備してたよー明らかに脱出させまいとしてたんだ。
「でも、私は外に出たかったんでね、犬を散歩させないとならなかった-だから出て行ったけどね。」人当たりの柔らかい俳優は、そう加えた。
最終的に、プロデューサーと政府は税金問題を解決し、ヴォーンの軟禁は1975年10月8日に終了し、映画も完成したと、ハンサムな俳優が付け加えた。そして断固とした鋭い目で「私がまたベネズエラに表れることはよほどの月日が経たないとないだろうね。」誓って言った。
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恐怖:私たちのベネズエラでの恐ろしい経験は、私の妻を震え上がらせた、とロバート・ヴォーンが語る。
写真はアメリカへ帰国後のヴォーン夫妻
注1:
RV自伝にはこの事件をリンダとの結婚前の70年代前半としています。
注2:さらに自伝では事件解決前に、地元の人の助けを借りて、変装して自力で脱出した、と記載されています。
当時は、「解決した」としておく事情があったのだと、私は解釈しています。
つまり、自伝の方はあれから数十年も経ち、「今だから話せる」ことが満載なのだと、理解しています。
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