このエピソードは若き日の舞台俳優、性格俳優としての彼の演技を堪能できる素晴しい作品です。幾つか前のエピソード「エイリアン」で離婚していたにも関わらず、養子縁組申請が残っていたことから、韓国の孤児がやって来てしまい、その彼を受け入れるために結婚しようとするなど、とても女性に対してのぎこちなさを露呈していたランブリッジ大尉。主人公のライス少尉とはドラマ中で好対照をなしているのです。なぜ、そうなったのかが、このエピでわかるのです。、彼は離婚の痛手から回復するのにとても時間がかかっていて、その傷を未だに抱えていたのです。それにも拘わらず、ある日突然離婚した妻がもう一度やり直したいと尋ねて来るのです。彼は頑なに会おうとはしなかったのですが、結局彼女の熱意に負けて、二人でもう一度デートをすることになります。しかしここで、彼女の自由奔放な性格がまたも露呈して、きちんと計画通りにことを運ぶ軍人のランブリッジ大尉とは水と油のように違うのがわかるのです。折角綿密に計画をたてた二人だけのパーティが、彼女は目の前の楽しみに心が奪われ、大尉の心を理解できずに、若者たち、そして友人達と海辺で歌って楽しく過ごすことを選ぶのです。大尉も忍耐強く待つのですが、一向に抜けようとしない彼女についに「何故僕と君、二人だけで満足できないのか？」を問い去って行くのです。浜辺で若者たちに出くわす前の、大尉の素直な告白から一転する展開、二人は愛し合っていても、一緒に人生を過ごすことはできないのです。このエピでの大尉の心の変化、その表情を見事に表現していて、涙があふれ出て来ました。子供に対する優しい笑顔、思い出に沈む顔、愛情に満ちた顔、そしてまた苦悩にゆがむ顔、何よりも、妻に欠ける甘い声が素敵。制服姿も一弾と凛々しい。