[Private Sessions]マイク・ファレルとケリー・マクギリス主演のTVムービーです。マイク・ファレル扮する精神科医・心理カウンセラーブランドン医師が、様々な患者の問題を根気よく相談にのりながら解決していく様子が丁寧に描かれた映画です。ひょっとしたらシリーズを意識して作られたのかなぁと思うくらいTVムービーとしては丁寧な印象。ゲストスターもかなり豪華です。ヴォーンさんはブランドン医師に相談にきたジェニファー(ケリー・マクギリス)のお金持ち実業家のお父さんを演じています。
  ジェニファーの問題はちゃんとしたボーイフレンドがいるにも拘わらず、行きずりのセックスを求めるのが辞められないこと。悩みに悩んで死のうと思ッた時に思い切ってブランドン医師に相談することにしたのです。そしてセッションを繰り返すうちに判明したことは、この問題は実は彼女が子供のころに起きたことに根があり、それもお父さんへの愛が裏切られたことも起因しているということだったのです。両親もよんで4人でのセッション。お父さんのコール氏(ロバート・ヴォーン)は、呼ばれたことすら不満で、娘の問題を真剣に捕えようとしません。非常に高圧的な態度をとっていたのもつかの間、奥さんが「あなたはなにが問題なのかしっかりと認識しているはず。」の言葉に、苦悩の表情を浮かべます。「死っていたのなら何故助けて繰らなかったの、何故私が嘘をついていると、罰したの?お父さんを愛していたのに。。。」返す言葉もなく、背中を丸めてその場をさる姿が、この家族の問題の深さがわかります。 ジェニファーは9歳の時、自宅で開かれたお父さんの事業関係のパーティに来た客が彼女の部屋に無理やり入り、遊ばれたのでした。それを両親に訴えたのに、二人とも信じようとしなかったのです、その時依頼、幼くしてセックスを強要されたことと、両親への不信感、愛情不足への不満にずっと苛まれ、それが行きずりのセックスへと走らせていたのでした。問題の根が分かったことで、彼女は立ち直りへの一歩を歩き出します。過激なテーマですが、とてもきめ細やかに描かれていて、好感のもてる作品です。
  ヴォーンさんは、このころバブル絶頂期の時代、表面上は家族を思いやっているが、実は全てがビジネス優先、富を築くことが家族の幸せと思い込んでいる典型的な実業家の父親を演じています。独善的、高圧的、しかし家族愛についての弱点を指摘されると弱い、このころとても多かった役柄です。(確か1983のTVムービー「Intimate Agony]でも似たような役柄でした)見どころは、やはり娘の病気の原因を実は自分が作っていたという事実を突き付けられた時の表情の変化ですね。まさにヴォーンさんならではと言えるでしょう。

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Private Sessions(1985)
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