ハリーの青春時代が少し垣間見ることのできるエピです。
学生時代の友人が仕事でロンドンにやってきました。
その友人はピアニストでジーク、ハリーを自分の出演しているクラブに招待します。
オープニングはそのクラブに行くために、コンテッサを迎えに行くところからはじまるのですが、その時のハリーの様子がまたいつもと違うのです。やけにテンションが高くて、旧友との再会がとても楽しみ!という雰囲気が伝わります。
滞在するホテルに不満を言うジークを自分のアパートに泊めるのですが、その時の二人の昔を思い出して遊ぶ姿は、本当に学生時代の仲のよさが連想できますし、そのハリーの実に楽しそうな、リラックスした姿がとても印象的です。
しかし、ジークは実はクラブのオーナーにハリーをクラブに誘うことだけが契約の条件であったはずが、さらに加担することを頼まれ、脅され、しぶしぶハリーの家に泊まっていたのです。
そうとは知らぬハリーはクラブオーナーの意図通りの行動をとり、そして、ハリーが殺されるであろうと気づいたジークがコンテッサとともに、ハリーを助けにむかい、最後は自分が犠牲になってしまう、と言う、ハリーにはとても切ないストーリーです。
最後に亡くなったジークを看取るシーンに何とも言えない悲愴感が漂います。今までの仕事で悲しい結末を迎えたときの怒りと虚しさの表情とは異なり、さらに一段と悲しみの深い表現で、見ている方の心をえぐります。
30分という短い時間の中で、物凄くはしゃぐ姿、、旧友を信じて心を許す姿、そして深い悲しみと失望に包まれる姿がしっかりと展開されています。
この脚本を書いたのが、実はジークを演じている、シェーン・リマーです。そうあの「Vocal」でハリーの声を模倣する役を演じた俳優さんです。彼はこの脚本を最初トニー・カーチスをイメージして書いていて、それをヴォーンさん用に変えたのだそうです。そしてもうひとつ「Blockbuster」も書いているんです。
この作品も私にとって、プロテクターズの中ではベスト作品にあげられるもののひとつです。