ナポレオンソロシリーズ後の「ブリット」につぐ2作目の映画作品。
ドイツ軍将校 クルーガー少佐を演じた。
青年将校の軍服姿に胸がときめいたのもつかの間、正義の通らないナチスドイツ軍の中で、意図的に命令に背くことの危険な影が忍び寄る。レマゲンに行く途中、ゲシュタポが自軍の兵士を道端で処刑するのを目撃し、さらにその不安は募る。自軍にも最後の逃げ道の橋をなんとかできるだけ多くの同胞を戻すべく、爆破をギリギリまで延ばしたが、与えられた爆薬の質が悪く、橋の爆破は不成功に終わり、結局連合軍の侵攻を許してしまう。応援を求めて本部にもどるも、「反逆者」の汚名をきせられ、処刑されてしまう。処刑される際の「誰が敵なのか?」というセリフとともにその悲しげな表情が忘れられない。
彼の苦悩に満ちた悲しげな演技、特に逃亡する兵士を思わず射殺してしまった直後の表情、処刑前の表情、などこういう心理描写は流石で、観ている方も胸が詰まる。色んな意味で、印象深い作品である。
自伝に詳しく書かれているが、彼はロバート・ケネディの葬儀の直後にこの映画の撮影に入り、その撮影中にロシア軍の侵攻に遭遇する。キャストもスタッフもホテルに軟禁状態となり、食べ物も底をついたときになんとか、オーストリア経由で脱出をしたという、ナポレオン・ソロそのもののような経験をしている。ベトナム反戦運動など、政治的な関心の高い彼だったからこそ、このような歴史的な瞬間に遭遇したのかもしれない。
ブログでも紹介したが、2007年この時の経験をもとにBBCでラジオドラマ"Solo behind the Iron curtain"を制作、自身役で出演している。とても良い作品だと思うが、声が今の声なので、聞いているとどうしてもソロではなくアルビーの顔を思い浮かべてしまうのが残念..。しかし、自伝を読んだ後にこの放送を聞くと、非常に臨場感にあふれ、当時のキャストの顔が浮かんでくる。
Download:Solo Behind the Iron Curtain
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The Bridge At Remagen
レマゲン鉄橋 (1969)