彼のキャリアの始め頃は人気西部劇TVシリーズにも数多くゲスト出演していました。その多くは、アウトローかひ弱な若者のどちらかだったのですが、ここでは保安官見習いのダン・ウィラードを演じています。正規の保安官が所要で街をでている間に、テキサスのカウボーイたちが無事仕事を終えた安堵感で、街で騒ぎをお越しだし、それを収めようと、経験の浅いダンが躍起になるのです。 雑貨屋を営むお父さんが心配して、ライフルマンことルーカスに「あんまり気負わないように諭して欲しい」と頼み、ルーカスも引き受けるのですが、ダンは「自分で出来るから口出し無用」と強がって、撥ね退けるのです。実はダンは陸軍士官学校に行っていたのですが、視力が悪いために、不適格となり除隊させられていたのです。そのコンプレックスがある故に、なんとか自分を認めてもらおうと、お父さんやルーカスの心配を振り切って、強硬手段に出てしまうのです。
このなんとかコンプレックスに打ち勝ち、自分を認めてもらいたいという若者の虚勢をyoung Vaughnは、コンプレックスのもとであるメガネに頻繁に手をやりながら、冷静な顔を装いながら、でも目には隠せぬ不安を見せ演じています。背の高いチャック・コナーズの隣に立っているだけで、ひ弱な若者に見えるから不思議です。彼自身が徴兵から帰って直後の頃と思われ、体が引き締まっていることもあり、全身から若さが感じられます。時折見える首から顎にかけてのラインがとても若々しい(笑い)
西部劇においては、演じてる役がらと実年齢がわりに一致している場合が多いようです。