アメリカ東部の都市フィラデルフィアの上流階級の世界を舞台に、ポール・ニューマン演じる野心家の弁護士ローレンスのサクセスストーリーです。そのサクセスの大きなカギとなるのが、Vaughn演じる学生時代からの友人チェット・グウィン。チェットは上流階級の人間なのだけれども、結婚をつぶされたことを機にアルコールに溺れるようになってしまった、鼻つまみ者。このしきたりでがんじがらめの社会で、自分の主張を貫けない自分の弱さをアルコールでごまかしている。朝鮮戦争で片腕を失い、両親の遺産の後見人の叔父にひどい扱いを受け、町を追い出され、落ちぶれて、叔父にともかく自分の遺産をよこすように交渉にきたところに、その叔父の殺人容疑で捕まってしまう。その弁護を友人としてローレンスが引き受け(財産管理専門なのに)初めての刑事事件にも関わらず、チャットの無実を見事に証明し、また名声を得る、というお話。
Vaughnはこの弱虫チェスターを見事な心理描写で演じ、オスカーの助演男優賞にノミネートされた。映画としては3本目、はじめてのA映画でである。この役を得るに当たってのスクリーンテストで、ポールが一緒に演じてくれたことが、彼の自伝に書かれている。さらにVaughnはアル中、無職の人たちの暮らしぶり、を知るためにドヤ街で一日過ごして研究したことも触れている。彼が良くインタビューで「ソロになるまえはシリアスアクターであった。」と言うのを聞くが、この映画をみると、まさにそれが本当であったことが証明される。ともかく眩しい!!