徴兵により一時停止してしまったキャリアを取り戻すべく死にものぐるいで仕事をしまくったと自伝にあった時期の作品です。
自伝にはこのディズニー作品への出演でナタリーとRJ主演の惨憺たる映画に参加することを免れた、とありました。
 さらにこの作品の演技については、ジョン・マレイが彼の著作”クリティカルスタディー:ロバート・ヴォーン"に初期のころの彼の演技・表現力、技術の典型と評し、分析しているる部分があります。それは別ページでアップしましたのでそちらをご参照ください

 私が特に興味を持った理由は、この時期にしてはとても珍しい役柄であるということ、(ミゲロ)
まず、作品がディズニーの子供向け作品(意外!)である、ということ。そして、メキシコ系アメリカ人で、オレンジを育てる農夫という役柄。さらにゾロとは旧知の仲。つまり、悪人ではない、ということ。そして、メキシカンアクセントをどうしているのか、という点でした。そして何より、マレイ氏曰く、「のちに円熟味をます術策に富んだ演技の数々が、もうここで示されている」と言う点が最大の興味でした。
YouTubeでようやく見つけて、観ることできてとても満足です。彼の表情の微妙な変化、目、口元、アゴ、そして声、アクセント、なるほど、マレイ氏の分析通りです。
 そして、役柄上とは言え、ヴォーンさんこのころから「水攻め」されていて、お気の毒です(笑)。ヴォーンさん曰く「こういう役をもらうというのはとても奇妙なことであったけれども、普段の役柄から離れる良いチャンスを貰ってとても嬉しかったのを覚えています。そしてとても楽しんで仕事をしたのを覚えています。」
 そうなんですよね。ディズニー作品ということで、アクのない、柔らかい感じです。ラテン系にありがちな典型的なちょび髭も可愛い!
映像はYouTube clipsにlistupしてありますので、ぜひごらんください。Young Vaughnの健全なる演技が存分に楽しめますよ。
このほぼ40年後にディズニー作品に出演しています「エスケイプトゥーウィッチマウンテン」がこれはバリバリの悪役です。(笑)

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Zorro:Spark of Revenge(1958)